ポストはだれのもの?
ポストは赤い色をしています。
だから、道を歩いていても、自転車で走っていても、
姿が目に飛び込んできます。
なかなか自己主張が強いもの、と思いきや、
あれはポストを探している人のために、赤いのです。
あの赤は早く手紙を出したいと思っている人への、思いやりの赤です。
自分の住んでいる町の記憶というのは、
わりとぼんやりしたものですが
(だって、どの家の横にどの家が並んでいるかなんて、
けっこう適当に思い浮かべるでしょう)
ポストのある場所は、ぱりっと記憶されているものです。
ポストは誰のものでしょうか。
もちろん、日本郵便株式会社のものです。
でも、みんなが利用します。
だから、どの人も、あの赤いぽちっとしたポストの場所の記憶を
頭の片すみに持っているんじゃないかと思います。
個人的な意見ですが、ポストからは、まじめな印象を受けます。
時間どおりに郵便局の人が取りに来るのを待ちかまえているからか、
最近のポストは四角いからか、
いつも同じ場所に立っているからか、わかりません。
でも、ある晩、いっせいに飛び上がるような気がします。
竹とんぼのように、頭が重くなっているというのは、
飛ぶのに適していると予想できるからです。
しかし、飛び方もまじめでしょう。
好きなほうに行ったりはしません。
予定したコースを、予定した速度で、予定したとおりに飛ぶのです。
しかも、まったく同じところに見事に着地!
あなたが今日見かけたポストも、昨夜は飛んでいたかも
しれませんよ。
今日は、これでおしまい。