なっちゃんの脱走を目撃した
【前回のあらすじ】
元地域猫のなっちゃんは、実は夜になるとワイルドになるねこだった。なっちゃんは、ケージの入り口の扉を開ける方法を覚えてしまい、夜のワイルド化が心配されるため、飼い主夫婦は夜の間、交代で見張りをすることにしたのだった。
見張りをつづけて、いく日かたった、ある晩のことです。
ぎっ! ぎっ! ぎしっ! と、夜のしじまにひびく低い音がありました。
音のするほうを見てみますと、そこには、ケージの扉に額をつけて、いっしょうけんめい押しているなっちゃんがおりました。
すると、なんと、ケージの扉がじわっ、じわっとゆがみはじめたのです。
そう、こんなふうに。
そして、バーンと大きな音を立ててカギが外れ、なっちゃんは、ケージから自由になったのでした。
ケージのなかは つまらない
なんにも えらべやしないのさ
すきなところで くつろぎたい
すきなところで のびをしたい
大したのぞみじゃなけいれど
自由をまんきつしたいのさ♪
自由をまんきつするなっちゃん
なっちゃんがケージから脱走するところを目撃して、これは、いかん! ケージに閉じ込めておくほうが危険とわたしたちは思いました。
そこで、ケージの扉を開けた状態でなっちゃんの近くに寝るようにして、さらに、夜の様子をうかがうことにしたのです。
いろいろ条件を変えて観察した結果、
・ケージの扉は開けた状態にする
・となりの部屋との間の戸を開けた状態にする
・夜用のおやつのカリカリをおいた状態にする
という条件がそろったとき、なっちゃんがあばれないことが判明したのです。
今日は、これでおしまい。