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猫とコーヒーと物語のブログ

郵便局の人ってすごい

うろ覚えの内容でおそれいります。少し前に、東京新聞に掲載されていた宮子(みやこ)あずささんのコラムに、「郵便局の人は、表札をかかげていない家でも、集合住宅の部屋番号も名前も書いていない郵便受けでも、きちんと手紙を届けてくれる」ということが書いてありました。
宮子さんの本職は、看護師です。専門職の立場から世の中を見つめたコラムを東京新聞で書かれています。今は、訪問看護をしておられるので、各家庭を訪問する機会が多いそうで、その訪問先で、先ほど書いたような郵便局の人のすごわざに出合われたそうです。
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郵便局の人のすごわざというと、わたしも以前に話を聞いたことがあります。
かつて介護施設で働いていた人が、利用者の方から「あなたには、とてもお世話になっているので、年賀状を出したい。ぜひ自宅の住所を教えて」とたのまれました。
ふつうは、利用者には職員の個人情報を教えないことになっているそうですが、とても熱心にたのまれるので、教えてあげたそうです。
すると、お正月に、その利用者の方からその人の自宅に年賀状が届きました。しかし、その宛名と住所は、震える手で字が書いてあるため、一文字も読めなかったそうです。「宛先が一文字も読めないのに、届ける郵便局の人ってすごい」とその方はおっしゃっていました。
わたしも、その話を聞いたときは、びっくりしました。一つ一つの線の方向から、住所や名前の手がかりでも見つけて届けるのでしょうか。ともかく、届けることに対する強い熱意を感じる話です。
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わたしは郵便局がすきです。どこの郵便局にも「ローカル」な感じがただよっているからです。昨年の年末に郵便局に行くと、おじいさんがいすに座って、郵便局そなえつけのスタンプを、ぺたーん、ぺたーんと押して、年賀状を作っているところを目撃しました。年末になると、郵便局には、賀状用のスタンプが登場するのです。こういう光景を見ると、なんだかほっとします。
個人情報に敏感な世の中になっても、郵便局の人は、どこに誰が住んでいるのかをみんな頭に入れて、しずかにしずかに手紙を配っているのです。
それは、日本のおだやかな、よい光景だとわたしは思います。
今日は、これでおしまい。