あおやぎ珈琲

猫とコーヒーと物語のブログ

ナイトくんさようなら

スーパーで買った小松菜の袋にくっついてきて、うちで飼うことになった、かたつむりのナイトくん。
インテリで、ぬれた新聞紙が大好物。
でもね…。新聞紙ばっかり食べているんです。いろいろなブログを見ても「野菜類はなんでも食べます」と書いてあるものが多いのに、ナイトくんは、新聞紙と小松菜とブロッコリーの葉っぱしか食べません。
他の野菜を入れても、ちっともかじったあとがないのです。しかも、どう見てもおもに新聞紙を食べています。
ナイトくんが食べそうなものをいろいろ試してみるものの、やっぱりこの3種類しか食べない…。新聞紙を食べることも初めは面白がっていましたが、さすがに心配になってきました。新聞紙を主食にして、身体は大丈夫なんだろうか…。でも、新聞紙をあげないと、餓死してしまいそうだし…。
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ということを考えまして、結局、野に放すことにしたのです。野、といってもうちの庭です。ナイトくんを「かわいい」といって飼い始めたのも勝手ですが、食べものがうまく見つけられないと野に放すのも勝手な話です。わたしは、自分って勝手な人間だなあとつくづく思いました。おそらくわたしは生き物を飼う資格のない人間でしょう。
わたしの資格うんぬんはさておき、ナイトくんは、今までえさをもらって生活していたのでした。すぐに自分でえさを見つけられるようになるかどうかわかりません。
そこで、えさの小松菜とぬれた新聞紙をたっぷり入れたビンに彼を入れ、ふたを開けた状態で庭におきました。もし、外に行ってえさが見つけられなかったとしても、そのビンにもどってくれば大丈夫なはずです。
一晩その状態にし、翌朝、庭に置いたビンをのぞいてみると、そこにナイトくんの姿はありませんでした。そのまわりも探しましたが、彼はいませんでした。ナイトくんは、巣立っていったのでした。
わたしは、一晩たったあとも、ナイトくんはビンの外に出ないのでは? と予想していました。しかし、その予想はみごとに外れました。出ていったということは、ぎっしりえさがつまったビンの中よりも、外の世界をぼうけんするほうがナイトくんには大切なことだったのでしょう(たぶん)。
それ以来、ナイトくんは姿を見せません。
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▲新聞紙の文字を背負って散歩をするナイトくん
わたしは今でも小松菜を見ると、「ナイトくんが好きだった小松菜だ」とナイトくんのことを思います。でも、同じ地球の上に住んでいるんだし、草取りをするときにばったり会うかもしれません。
ナイトくんと暮らしてわたしは楽しかったけど、ナイトくんはどうだったかな。
小さな生き物にも幸がありますように。
今日は、これでおしまい。