あおやぎ珈琲

猫とコーヒーと物語のブログ

「生誕120年宮芳平展」に行きました

練馬区美術館(東京)でやっている「生誕120年宮芳平展」を見てきました。

長野県で美術教師として生きた無名な画家、宮芳平(みやよしへい)。

森鴎外(もりおうがい)と交流があり、鴎外の「天寵(てんちょう)」という短編に出てくるM君というのは、宮芳平のことなんだそうです。

inori.jpg

森鴎外と知り合ったきっかけが面白いです。

東京美術学校の在学中に美術展に出品した作品が落選。

どこが悪かったのかというのを聞きたくて、東京美術学校に関係のない審査員をさがし、当時、審査員長をしていた森鴎外に会いに行くことにしたのだとか。

森鴎外の作品、ちゃんと読んだことあるし」

と思って会いにいくのですが、会いにいくにあたって、

「自分が嘘さえ言わなければいい!」

と思って出かけていくあたり、相当純朴な感じの人です。

肩書もつても何もないけれど、まっすぐさだけをもって会いに行こうとするのです。

わたしは油絵よりもペン画に引かれましたが、彼の言葉がいちばん印象に残りました。

小さいものでいいんだ。

ほんとに小さいものでいいんだ。

光っていればいいんだ。

よりよく光っていれば、よりよく大きいんだ。

ひたむき。ひたむき。

こういうところが鴎外の心を打ったのかな。

「宮芳平展」は、練馬区美術館で11月24日まで(月曜休)開催されています。

今日は、これでおしまい。