あおやぎ珈琲

猫とコーヒーと物語のブログ

かくれる気持ち

先日、約束に遅れそう! という時間になってから家を出た時がありました。

駅までの道をいそいで歩いておりますと、向こうからネコがやってきました。

そのネコは人なつこい地域ネコで、わたしは普段、なでたりしてかわいがっているのです。

機嫌がいいときは、わたしに愛想をふりまくのに、その時は、ちょっとうつむいたような照れくさそうな顔をしてわたしの横を通り過ぎました。

「おや、こっちが急いでいるのがわかるのかなー」

と思っていたら、そのネコはわたしとすれ違ったあとに、わたしの目の端に映るように塀に体をこすりつけて、甘えたようなしぐさをしたのです。

ちょっと知らんぷりしてわたしの横を通り過ぎたのに、目の端に映るように甘えたしぐさをするなんて! なんていう恋愛上級テク! と思ってきゅーんとなりましたが、遅刻するわけにいかないので、

「また今度、遊ぼうね」

と言って、バイバイと手を振りました。ネコはきょとーんとしておりました。

犬なら遊んでほしいとき、ワンワンとほえてしっぽをふって、ストレートに表現するんでしょうが、ネコは素直じゃないのが可愛いです。

家ネコで、飼い主が帰ってくるのを玄関に迎えに出てくる子が、ある時、飼い主の帰りが待ち遠しい気持ちが照れくさいのか、ドアに背を向けた状態で飼い主の帰りを待っていたそうです。

genkan-neko.jpg

▲玄関にいる背中ネコのイメージ図

家のドアを開けたら、背中を向けたネコ! 帰りを待ち遠しく思っているのに、その気持ちをかくそうとするなんて!

この気持ちをかくそうとするけど、それが下手なのがネコ好きにはたまりません。

かくれようとするものに、人は引かれてしまうのかも。

今日は、これでおしまい。