なぜ若者は冷蔵庫に入るのか
01 冷蔵庫とシール
アルバイトの店員が業務用の冷蔵庫に入ったり、アイスの陳列ケースに寝そべったりしたうえ、そうした写真をTwitterに上げて、炎上。結果的に、当事者がバイトを首になる、あるいは学校を退学になるというニュースが跡を絶ちません。
なぜなんだろうなあ、と思っておりましたが、最近、仕事でお借りしている資料の中にシールが含まれておりまして、そのシールを見たとたんに「うわっ、貼りたい…」と強い衝動を感じたのでした。もちろんお借りしているものだから、貼ったらだめなわけです。
この「シールを貼りたい」という欲望。もとはシールを貼ることがとてつもなく楽しいというところからきていると思います。では、なぜシールを貼るのは楽しいんでしょうか。それは「何かを埋める」という作業が楽しいからではないかと思います。シールだらけになっているおうちの冷蔵庫とかありますもんね。
02 とにかく埋めたい
原稿用紙じゃないと作品が書けないと言っている作家、今日するto doリストをつくって終わったものを消していくと作業がはかどると言っているサラリーマン、棒グラフでノルマ達成をあおられる営業マン、これらは楽しそうじゃないものを無理矢理「何かを埋める」という楽しさにすりかえ、がんばろうとしているように見えます。
裏を返せば、埋めるということがいかに楽しいかってことを示しているのです。
だから、もしかして、冷蔵庫に入っちゃう人たちは、埋めたいんじゃないだろうか、と思うのです。埋めることが楽しくてしかたがないのかもしれません。
03 彼らは何を埋めたいのか
それはね、インターネットを、ですよ。埋めるには、「際」がないといけません。囲まれているという前提がないと、埋めるのは楽しみではなく、苦痛でしかないでしょう。いつか埋まりきる、だから埋めたい、という欲求のはずですから。
ところが、インターネットの情報というのは、次から次へ新しいものが出てくる、際限がない世界なわけです。すると「埋めたい」という欲求はいつまでたっても満たされません。だから、彼らは反撃に転じたのです。冷蔵庫を埋めて、それをネットに配信するという形で。埋めるということを蔓延させたかったのです。そして「そういえば、自分も埋めたい」という欲求をもっている人はたくさんいるので、次から次へと模倣者が出てきてしまうのです。
04 てのひらがえし
ということを書きましたが、これは正解ではないでしょう。そして、どの新聞もどのコメンテーターもどのブロガーが書いていることも正解ではないと思います。わたしは、こういうことの原因は、1か月前の昼下がりにまだ言葉を発することのできない赤ちゃんが「ぱ……う……む……い」と言ったことが原因で始まった、といったようなことではないかと思っています。
自分は理屈どおりに行動しているわけじゃないのに、理屈で原因を考えようとするのはなぜなんでしょう。わからないものは、わからないものから発生している可能性のほうが高いとわたしは思うのです。
でも、できれば解決したいよね。だって、若者の未来がかかっているのですから。
というわけで、「ぱ……う……む……い」に対抗するフレーズをつくったよ!
「君は、君であるのだから、君は、全きものである」!!!
ちょっと理屈っぽくなってしまいました。でも、これをとなえて、1人でも若者が冷蔵庫に入らなくなったらいいな、と思います。
というか、Twitterの機能として、未成年が写真付きのツイートをするときは「おかん画面」が出て、「そのツイート、おかんに見られてもいいんかね?」といさめてくれる機能がついていればいいのにね。おかんは一番身近な社会だよ。ひと呼吸おいて、冷静さを取り戻させることで、若者を守ってくれるはず! うざいと評判になるだろうけどね!
あほらしいと思われるかもしれませんけど。こうやってみんなでアイデア出し合って、笑いながら問題を解決していきたいと思うんです。
今日は、これでおしまい。


