古地図がおもしろい
江戸時代の古地図の復刻版を買いました。
全国の地図と、江戸の町の地図です。特に全国の地図がすごく楽しい。
国名(出羽とか甲斐とか)、お城の名前(小田原とか金沢とか…石高〈こくだか〉も示してある)、お寺、宿場名、街道、海路、四国の巡礼の札所が示してあり、宿場と宿場の間にはひとつずつ「一リ(一里)」や「二リ」「三リ」と距離が入っていて、とっても実用的。
▲イラストは、イメージです
タモリさんが古地図は楽しいとおっしゃっているのを見たことがありますが、
確かに! おもしろい!
何がおもしろいかと言いますと、江戸時代の価値観がかいまみられることが楽しいです。
●米が中心! 米が!
各お城に米のとれる石高が示してあるのを見ると、今は「企業」が多くある都市が発展していますが、江戸時代はだんぜん「米」が中心なんだな、と分かります。
そして、今はわりと太平洋側が発展してますが、むかしは日本海側も発展している国がたくさんあったことが分かります。
金沢のお城には「百二万二千七百石」と書いてあり、ぶっちぎりで大都市です。
小田原の「十一万三千石」、水戸「三十三万石」なんかに比べてもだんぜん上。
今も金沢に行くと住んでいる人々や街に「誇り」を感じるのですが、昔は大いに発展し、文化的にもすぐれていたのだという気持ちからああいう「誇り」が生まれるんだろうなあと実感しました。
明治維新で「県」というものが誕生して「米」中心の価値観が崩れ、その後「高速道路」と「新幹線」が誕生して人の流れが完全に変わってしまったようです。
でも富士山は大きく描いてあるし、湖の場所も変わっていないし、川の流れも同じです。
今ある道路も、多くは江戸時代の街道を下敷きにつくられたものでしょう。
価値観は大きく変わってしまったものの、金沢の人々の「誇り」にみられるように、江戸から連なるものは今も人のこころに影響を与えているのではないかと思います。
買った古地図を出版している会社のサイトはこちら ⇒ 古地図史料出版株式会社
通販もできるみたいです。
(わたしが買ったのは 大日本行程大絵図 安政四年作 竹原版 価格1890円)
今日は、これでおしまい。