あおやぎ珈琲

猫とコーヒーと物語のブログ

文章を書き写す

俳句の先輩に俳句がうまくなるこつを聞きますと、「よい俳句を書き写すこと」と答えられる方がけっこういらっしゃいます。

書き写すと、俳句の呼吸・リズムが身につくのだそうです。それに加えて、ものの見方も学べるように思います。

わたしは、本を読んで大切と思ったり、なるほどと思ったりしたらなるべく書き残すようにしていますが、そういう情報という意味ではなく、文章を勉強するために書き写すこともあります。

情景が立ち上がってくるような文章。読み進めるごとにこころを打つ言葉が並ぶ文章。はっとさせられる新しい表現が随所にちりばめられている文章。香るような色気を放つ文章。こういう文章を読むと、とてもわくわくするのですが、この興奮や感動を自分のなかで受け止めるには、書いて写す、という作業はとても向いているように思います。

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須賀敦子(すがあつこ)さんの随筆とか。石井桃子(いしいももこ)さんや江國香織(えくにかおり)さんの文章とか。内容だけじゃなくて、文章そのものが魅力的。読んでると「あー、書き写したい!」ってうずうずしてきます。そうしないと、文章への愛情のはけぐちが見つからなくって、自分の尻尾を追ってくるくる回る犬みたいな気分になります。

最近は、おもしろい作品とか考えさせられる作品とか驚かされる作品はあるけど、文章がとにかく魅力的っていう作品には出会ってないなあ。この人の文章そのものを読むのが楽しいっていう作家さん。知らないだけでしょうか。

そういう人がいるなら、ぜったいに本を買っちゃうんですが。

まなざしとか感触とか息遣いみたいなのが感じられる本。そういうのが読みたいです。

今日は、これでおしまい。