恋愛の話が現実的じゃない件
最近、恋愛の話でも読んでみようかと思いまして、恋愛ばっかりのマンガ雑誌というのを買いまして、それにはプリンセスの話やお金持ちに見初められる話やどこかの国の王子と出会う話や執事に尽くされる話が載っていまして、あれー、ふつうの恋愛の話はどこいった? と思ったのです。
それで、かつて恋愛小説の編集をしていたことのある友人に
「恋愛小説って、ありえない舞台のありえない男の人との恋愛が人気だったりする?」
と聞いたら、そうだと言われました。
ぜったいこんな男いないよね、ぜったい男はこんなこと言わないよね、という作品が人気があるのだそうです。
「現実にはありえない恋愛の話を読んでおもしろいのかな?」とわたしが尋ねますと、
「みんな、現実は見たくないんだよ。夢が見たいんだよ」と言われて、があーんと、ショックを受けたのでした。
わたしは、日常っぽいのが好きなのです。リアルな感じが好きなのです。
しかし、わたしが好きなマンガはたいてい打ち切りにあったり長く連載が続かなかったりするのです。だから、自分が少数派、というのはうすうす気づいていたのですが、やっぱりそうだったのか、と思ったのです。
そもそも恋愛って現実に始まったらおもしろいこととか、ありえないこととか起こるものだと思うのですが、そういうのは見たくないっていうのはどういう気持ちなんでしょうね。自分に近い状況だとハラハラしすぎてだめ、ということでしょうか。それとも、現実はもうあるんだから、そうじゃないのが欲しいってことでしょうか。きっと後者なんだろうな。
「夢を見せる」ってすごいわざです。わたしは個人的にこの力を「飛ぶ力」と表現します。わたしの妄想はたいしたものなのですが、リアルすぎるのです。というか、所帯染みているのです。
だから、飛び上がれないんだろうな、と思っています。
今、飛ぶ訓練をしています。訓練ばっかりしててもしようがないので、短いものだけど小説の賞に応募してみようかな、と思っています。
どれだけ飛べるか、楽しみだね。
今日は、これでおしまい。