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猫とコーヒーと物語のブログ

猫の心をとろかす3人の人

猫派か犬派かと聞かれたら、断然、猫派です。 今は家で猫を飼っていないので、近所の気立てのよい地域猫たちをかわいがるという、気軽でうるわしい日々を送っています。

わたしは、猫の心をとろかす人の存在というものに、うすうす気がついていました。 以前、テレビでその衝撃映像を見かけたことがあり、なぜそんなことができるんだろうと考えていました。

01 猫の心をとろかす人、1人目 まずは、映画監督の故・伊丹十三(いたみじゅうぞう)監督です。 これは奥さんで女優の宮本信子(みやもとのぶこ)さんが監督を回顧する番組内でおっしゃっていました。 「そうはいっても、それほどじゃないだろう」 とわたしなんかは思ったのですが、若かりし伊丹監督が山の中のようなところで、野良猫の、ほんのまだ子猫という感じの子を可愛がっているシーンが映像として流れました。 それにわたしは仰天しました。山の中にいる、野良猫の、子猫です。 人になつくはずがないのに、その猫は、監督のひざのうえでお腹を出してひっくり返ったまま気持ちよさそうになでられていました。

宮本さんがおっしゃるには、どんな猫でも、監督にはなついてしまったんだそうです。 番組の最後で、インタビュアーが投げかけた「監督のことをひと言で言うと?」という質問に対する宮本さんの答えは「猫使い」でした。 たぶん、インタビュアーは映画監督としてのひと言を求めていたと思うのですが、奥さんにしてみれば、俳優たちを魅了してすごい映画をつくる才能よりも、どんな猫でも心をとろかしてしまう才能のほうが心に強烈に残っていたのでしょう。 gugu2.jpg

02 猫の心をとろかす人、2人目 知ってる人は知っている、知らない人はまったく知らない、ジャクソン・ギャラクシーさんです。 ジャクソンさんは、CSのアニマルプラネットなどで放映されている「猫ヘルパー猫のしつけ」という番組に出ている猫ヘルパーの方です。 飼い猫でも、なかなか飼い主になつかなかったり、攻撃的だったり、困った行動をとったりする子がいます。そういう飼い主のところへジャクソンさんが相談に行って、見事解決するという番組です。

わたしが初めて見た回は、こわがりで、飼い主が近寄るだけでハーッと威嚇(いかく)してくるような猫が登場する回でした。まずは飼い主がジャクソンさんの助言を聞いて、部屋を改良したりします。でも、猫はなかなか心を開きません。そこで、ジャクソンさんが、家に登場! すると、にゃ~ん、とその猫がジャクソンさんを迎えにいくかのように出てきたのです。 これにも仰天しました。早いだろう、いくらなんでも、と。 こわがりなのがウソのように、ジャクソンさんに猫はなつきます。飼い主もびっくりしていました。 koron2.jpg

03 猫の心をとろかす人、3人目 それは、わたしです。でも2人とちがって万能じゃありません。 わたしは、ある特定の猫にとても好かれるのです。

あるとき、YouTubeで猫の映像を見ていて、「発情期になったうちの猫」みたいな画像を見たとき、これだ! と思いました。 わたしが近づいたときの、猫の反応とそっくりです。顔を床にこすりつけたり、寝転がってお腹を見せてころころ転がったり。しかも、わたしに妙になつくのは、すべてメスの猫だったのです。

そうです。どうも、わたしの身体から、イケメン猫のにおいが出てるようなんです! うれしいやら、うれしくないやら。

これで、謎は解けました。伊丹監督も、ジャクソンさんも、猫にとっていいにおいがしているのです。だから、山の中の猫でも「あっ、いいにおい!」と近づいてくるし、ジャクソンさんがどんな人かもわからないうちに、ジャクソンさんが入ってきたとたんに「あっ、いいにおい!」と出てきてしまうのです。

わたしの、役に立たない能力がまたひとつ明らかになりました。

今日は、これでおしまい。