ワープロが欲しい
ワープロは、なんで、製造中止になったんでしょうね。 現在もワープロの人気は高く、中古が高値(4~5万)で売られているというではありませんか。
物が売れないって言ってる人。こういうのを再生産、再販売すればいいと思いますよ!
わたしのワープロ愛を語ります。
まずね、文章をただ入力するのに、パソコンなんてかしこい機械がほんとうに必要なの? って思うんですよ。
東大生にたし算をさせているようなもの。
高圧に圧縮した水でなんでも切れる切断加工機「ウォータージェット」で、手紙の封を切るようなもの。
ほんとに、いるんかい、そのスペック、ていう話なんです。 だいたい、文章を打ってるだけなのに、パソコン本体が熱くなってくるのもわからない。 こんな簡単なお仕事なのに、なんで? って思います。
それから、パソコンって外とつながっているじゃないですか。
電話線につながってるし、それで世界中につながっているわけでしょう。
そんな世界につながっているものに、わたしの、個人的な文章。まだ、外にさらせるまでに至っていない文章を、ぽちぽち書いて、もしこれがうっかり外へ旅立って行ったら……と考えると、何にもつながっていない、まさに個人を個人としてつつんでくれるワープロが安心、というわけなんです。
それから、それから。 ワープロの、うっかりしたところが、いとおしいです。 なにせ、記憶が単三電池4つの肩にかかっているのです。 もし、この単三電池君たちが切れたら、それまでワープロに書いたものがパアになってしまう。 「ごめんねー」 とはワープロは言いません。 実は、この記憶の喪失には共犯がいるのです。 ワープロ本体はあてにならないから、フロッピーディスクに保存! しめしめと思いきや、このフロッピーディスクも、ちょっとおかしなタイミングで引き抜いたりすると、あっという間にデータはパアです。 「ごめんねー」 とはフロッピーディスクも言いません。 でも、なんかこのワープロとフロッピーディスクっていうのは、うっかり姉妹、似た者どうしの血のつながりを感じます。
あっさりなくなるものがあるのも、いいと思うよ。 仕事では使えないけど。
不器用なままでいい、うっかりのままでいい。 またワープロが再生産、再販売されることを、わたしは願ってやみません。 今日は、これでおしまい。